2020年6月13日(土)、ひでつう・久林紘子・おかちまい・山田浩司による、オンラインセミナー「コロナ時代のブランディングを一緒に考える」が開催されました。
イベントレポート Vol.1
今回は、その時の様子を一部ご紹介いたします。
ーーーひでつう
今日のテーマはですね。。。“コロナ時代にどうやって生き残るのか?ビジネス面で最近何をしているのか?”を皆さんに聞いていきたいと思います。
おかち先生は、コロナ禍でどんな衝撃を受け、どんなことを考え、どんなことをしていましたか?
ーーーおかち
私が主催する料理教室には、月に100名くらいの生徒さんに来て頂いています。一番大事なのは生徒さんの安全や安心して受講して頂く部分だと思いましたので、2月中旬ぐらいには休講の決断をしました。
そういった状況ですので、料理教室の仕事は全くのゼロです。。。「他に自分でやれることは何かな?」と考えて行動をした結果、【発信に力を入れる】ことに。。。具体的には、ブログを毎日更新するとか、インスタグラムなどでお悩み相談を受け付けたりとか、オンラインでの発信をメインに力を入れました。
しかしですね、リアルな料理教室は相互通行でのコミュニケーションが取れましたが、オンラインでの発信はどうしても一方通行的になりがちでして。。。「先が見えなくて不安だなぁ」と日に日に不安を覚えるようになってきました。「どういう形なら、リアルな料理教室が再開できるのかな?」と考えたりもしたのですが、「やはり無理・・だな」という結論に。「もうこれからはオンライン化するしかないのか」と考え始めたのが3月下旬ぐらいという感じです。
ただ、料理教室の価値は、料理を習える場所だけではなく、空間を楽しんだり、スタイリングを楽しんだり、生徒さん同士の会話を楽しむ場所だと思っています。「その価値をどうやってオンラインに乗せるのか?」というところがなかなか解決できずにいて。。。実は最初の頃はアンチオンライン派だったのです。
ーーーひでつう
なるほど。。。そこで悩み、且つ、生徒さんたちとのコミュニケーションを取りつつ、どうやっていこうかなと考えていたんですね?
ーーーおかち
はい。私は普段、色々な肩書きでお仕事させて頂いています。料理教室以外にも、例えば、企業さんのレシピ開発仕事でしたり、あとは新規に料理教室やパン教室を開く方向けのサポートなどもさせて頂いています。
そういったお仕事から、【リアルな料理教室を再現する場所ではなく、全くの別物と考えれば良い】ことに気づいたのです。リアルな料理教室もプランAだし、オンラインの教室もプランA。という感じで、本当に別物と考えたのが4月くらいですかね。」
ーーーひでつう
(会場に向かって)皆さんもご存知の方がほとんどだと思いますが、おかち先生は料理教室の人気サイト「クスパ」で、3年連続1位で殿堂入りしたすごい大御所なんです。そんな先生でも悩んでしまうんですね。。。
久林さんも色々な企業のお仕事請け負っていると思いますが、どんなことが起きてどんなことを考えていましたか?
ーーー久林
改めてご挨拶させて頂きますと、パーティースタイリストとして、企業イベントやパーティー装飾を担当したり、ビジュアルマーケティングプランナーとして企業インスタグラムマーケティングや運用・撮影から投稿までなど、そういうお仕事をしています。
コロナで今まで本業としていたイベント装飾のお仕事が、全てストップしてしまいまして。。。なかなかの震える事態になりました(泣)。
今現在動いているお仕事が、SNS運用でして。。。ストップしたお仕事と、伸びているお仕事の差が激しい状態です。
また、リアルイベントは止まっていますが、「今後どう施策するべきなのか?」と企業様へのアドバイザー的なお仕事が増えました。「オンラインイベントをこの先を仕掛けた方がいいのか?それともリアルイベントの方が良いのか?」とか。。。「来年のトレンドはどう読めば良いのか?」とか。。。「様々な展示会が中止、流行自体一旦ストップしているので、来年どう仕掛けていいのか困っている。それのアドバイスが欲しい」とか。。。後は、「劇場の3密を避けるために、1300人収容を250人へと減らし、その分空いた席を華やかにする知恵を貸して欲しい」とか。。。
動いてるところと止まっているところがありますね。
ーーーひでつう
なるほど。今回のテーマは「コロナ時代のブランディングを皆で一緒に考える」ことなんですが、やはり悩み相談がすごく多かったのですね。
今回ご参加頂いた方は、プロの方限定にさせて頂いております。お料理教室とか、スタイリング教室をやられている方。企業受託のスタイリングやプロデュースをされている方。あともう一つがケータリングに取り組んでいる方や取り組みたいと考えている飲食店の方に限定をしてお話をさせてもらっています。
私もコロナ時代を考えるみたいなセミナーを色々聞いたり見たりしていますが、なんとなく「頑張ろー!」みたいな(笑)。まあそれはそれで良いとも思いますが、今日はもっと具体的な話ができればなと。
ということで、「今後の企業マーケティングはどうなってくのか?」という話をしてもらいたいと思います。「これ、私には関係無い!」って話は一個も無いです。全部クロスしていて、何を売るにも、”食”のテーマで繋がっているのかなと思ったりしつつ。さらに、もちろんエンターテインメントですよね。例えばそういった形で全てに通じるような、ブランディングとかマーケティングの考えをセミナーの終わりにたどり着ければなと思っています。
続いてゲストの山田浩司さん、自己紹介をお願いします。
ーーー山田
皆さん初めまして、山田です。宜しくお願いします。僕は、様々な会社さんのビジネスの立ち上げなどを支援する会社をやっています。食事好きで、日本ホームパーティー協会の理事もさせて頂いています。
それ以外でも、ビールのスタートアップ支援や、食関連ですとウーバーイーツ用の製造をする人たちの立ち上げをやってみたりとか。。。本業は皆さんのような華やかな人たちと違って、不動産とか建築とかの仕事もしています(笑)。
もともと小さい会社を経営していますので、テレワークで仕事は問題なく進みます。ですが、さすがに2ヶ月間会わない状況が続くと、チャットやZOOMとかでコミュニケーションは取れますが、やはり雑談や人との純粋なやりとりが寂しくなってきて。。。
社内の話で言いますと、金曜の14時くらいからの1時間は、お茶飲み時間を設けたりとか。「みんな何してんのー??」とか会話をしたり。そういうコミュニケーションで、まさにお茶を濁して2ヶ月間乗り切っていました。
そうなってくると、自宅にいる機会が増えますので、結構ご飯が重要になってきます。それこそ自分でも配達員をやったこともありますが、ウーバーイーツを頼んでみたりとか。。。近所のテイクアウトのお店を探してみたりとか。。。
面白いと思ったのが、不動前や築地にもお店がある東インドカレーのお店があるんですけれど、そこの商店街が商店街独自のデリバリーを始めましたっというのをやっていまして。。。ウーバーイーツとか、高いと配達料500円くらいかかったりしますが、その商店街デリバリーは、「電話をしたら持って行きます!商店街の有志の若者が持って行きます!」みたいな。こんな店があったんだとか新しい発見がありました。
正直、家の近くでそんなにご飯食べていなかったんで。今まで都内全域でご飯を食べていたのが、家の近くでランチが食べられちゃう!究極を言うと人一人いるとできちゃう仕組みなので、そういうのことを行う商店街の取り組みとかは素敵だなと思ったりしていましたね。
ーーーひでつう
そうなんですね。僕なんてネットフリックスで「愛の不時着」ばかり見てましたよ(笑)。それと「シン・ゴジラ」を見たんですよ。まあストーリーを大雑把に言うと、ゴジラがやってきて街が破壊されて官僚の人たちが、やれどうしようと右に左に行って。。。で、それを見て思ったのが、この国っていいなって思ったセリフがあって。大きな外圧でしか変わらない感じの話があったんですよね。それが戦争であったり、3.11であったり。今回はコロナって全世界的なもので大きく価値観が強制的にコペルニクス的に変わってしまったみたいな。。。
よく「コロナと一緒に暮らす」とか言いますけど、もちろん良い面も悪い面もあるんですが、今回はポジティブにいきたいんで、良い面を含めて話をしたいですね。
それぞれの分野のプロの方がクロストークしていくので、皆さんがされてるビジネスで取り入れられることを是非取り入れて頂きたいと思っております。
おかち先生、さっきはオンラインでどうしようみたいな感じで、コロナの時期に考えたお話でしたが、これからはどうしようと思っていますか?どうすれば料理教室とかスタイリング教室とかの、教室ビジネスは生き残っていけると思いますか?
ーーーおかち
色々やらなくてはいけないことはあると思うんですけど。。。生き残るためにはまず、最初にやるべきことは、自分と向き合って考えることが必要だと思っています。
これだけ価値観が変わってしまって、当たり前が当たり前ではなくなってしまった。。。今まで自分の目的を遂げるのに必要な方法や手段ですね。教室を始めた時とは変わってきているんです。
私は生徒さんの笑顔が一番とか、料理のワクワクを伝えるのがミッションで料理教室を運営していますが、それを達成する手段が、今まではリアルな教室だったのが、オンライン化をする方向で考えています。
ーーーひでつう
アンチオンライン派だったおかち先生が、なぜオンラインに取り組もうと思ったか。葛藤から切り替わったところを今一度教えて頂けますか?
ーーーおかち
オンラインレッスンを始めたのは、【リアルな料理教室が開けないからではなく、自分の生徒さんに楽しんでもらえる手段は何か?と考えた時に、オンラインだと繋がった!】のがキッカケです。
視線を変えてみると、「オンラインでしかできないことも沢山あるじゃん!」という考え方に変わった感じです。
ーーーひでつう
それは興味深いですよね。既存の料理教室をオンライン化するというニュアンスではなく、新しくオンライン向けの料理教室を始める。そういった認識で合っていますか?
ーーーおかち
リアルな料理教室をオンライン化しようとすると、どうしても出来ることと出来ないことが出てきてしまう。。。
通常、私の教室は3時間レッスンで、10〜15品作りますが、どう考えてもそれをオンライン化するのは無理でした。「じゃあ、オンライン教室ではリアルな料理教室ではやれないことをしようと考えれば、WithコロナでもAfterコロナでも、両方で選んでもらえる教室になるんじゃないかな?」と考えたのです。
ーーーひでつう
別物として考えるって、すごい今気づいたことがあります。
周りの馴染みの飲食店に「どうするのこれから?」と質問をすると、「ケータリングを続けよう」と思う人と、「やめよう」と思ってる人の両方に分かれてるんですよね。続けようと思っている人は、新しいことに今回気がついたってことですよね。。。
例えば、築地にあるイタリア料理店のテイクアウトがすごく面白いです。ピザとかパスタとかじゃないんですよ。カレーなんです。「イタリア料理店でカレーって何?」って最初思いましたが、そこに巨大なエビフライが乗ってるんですよ。価格は2500円ですけど、映えるんですよ(笑)。既存のメニューで展開するのではく、全く別のメニュー。しかも2500円のパンチの効いた値段!そうやって単価の高いものに切り替える方法も面白いなと思ったんですよ。
そういう部分で久林さん、商品の値段とか企業マーケティングの予算とか、色々あると思うんですが、どういった考えをお持ちなのか。。。特に久林さんは、SNSのプロですので、良い例や悪い例とか改善点などを伺えればなと思います。
ーーー久林
今は、おこもり需要がとても上がっています。それにより、瞬間風速的に伸びるハッシュタグがとても求められているなぁと思います。
あと、美容に関しては「#おこもり美容」「#おうち美容」。
飲食系でも「#おうちカフェ」とか”おこもり””巣ごもり”って着くものが4月にはすごく多かったです。
美容系も口紅は売れていないんですね。
ですが、マスクメイクと言って、目元だけメイクとか、ノーファンデと言って、お肌休めて綺麗に見せたいとか。
さらに、ZOOM映えで、シェービングを入れて血色を良くするとか。。。新しいメイクを探してるとかメイクを買う人とかに、ポジティブなコスメ需要が出ています。ちゃんとリサーチでも出ていて、全体的に落ち込んでいるんではなく、ニーズをキャッチするのが大事かなと思います。
分野は違いますが、先日、覆面座談会にリスナーとして参加しました。その時にすごく意外だったのが、全体的な来店客数は下がって大変ではありますが、今回の緊急事態宣言解除後にお客様が戻ってきた時に、一人一人にゆっくり接客をしてもらえて顧客満足度が上がったと。。。それで購買単価が上がったお話がありました。
意外というか納得。。。今まで流しで受けていた接客が、このコロナの状態で顧客満足度が上がっていることが、私もすごく勉強になりました。
とりあえず今は、どの業界でもSNS運用がキーポイントで大事かなと思っています。
講師紹介
ヴィジュアル マーケティング プランナー
Tokyo Flamingo代表
久林 紘子
ハイファッションブランドの企画デザイン・PRを経験し、オートクチュールからプレタポルテまで、デザインの世界を学ぶ。ベルギー、ブリュッセルにてヨーロッパの文化や色使い、パーティー文化を学び2015年、ベルギーから日本に拠点を移し、パーティースタイリストとしてフリーランスで活動を開始。
雑誌撮影やイベント、CM等の空間スタイリングやプロップスタイリング、またInstagramマーケティングの知識を活かしたInstagramプロモーションの企画・運営・実施なども手掛ける。ホームパーティーに関する企業講演、パーティーグッズ等の商品開発・ディレクション等、幅広い領域で活動。
著書に「フォトジェニックなHAPPY BIRTHDAY」(光文社VERY BOOKS)
一般社団法人日本ホームパーティー協会 公式アンバサダー
ホームパーティー検定 ®エキスパート
Website : http://www.tokyoflamingo.com
Instagram : @rohicocco (Official Instagram)
Instagram : @tokyo.flamingo (Archive)
料理教室アドバイザー
料理教室cooking LABO 🙂 tsukuru主宰
おかち まい
学校給食の先生、パティシエを経て、大手料理教室で料理・パン・ケーキ・キッズのレッスンや採用、講師教育を担当。2013年4月より、自宅キッチンにてカフェめしやパーティー料理のお料理教室cooking LABO 🙂 tsukuruを主宰。
フードクリエイターとして、レシピ開発やタイアップレッスン、セミナー講師や出張レッスン、コラム執筆等、幅広く活動中。
著書に「即日満席になる料理教室」(イカロス出版)
一般社団法人日本ホームパーティー協会 公式アンバサダー
ホームパーティー検定 ®エキスパート
Website : https://okachimai.amebaownd.com
Instagram : @okachimai (Official Instagram)
一般社団法人日本ホームパーティー協会会長
元京都精華大学特任准教授
高橋 ひでつう
ホームパーティー検定®︎の監修や各種ホームパーティー関連商品の開発やマーケティングを通し「ホームパーティーが生む楽しいコミュニケーション」を研究しメディア出演多数。ホームパーティーに関わる執筆、講演や企業との商品開発コンサルティング、ホームパーティー・シェアスペース、ホームパーティー検定®の運営など、ホームパーティーを普及させる為に活動中。「ホームパーティーをアウトドアへ」と、ピクニック研究家としての活動も行っている。広告クリエイティブ・ディレクターやDJの顔も持つ。東京生まれ東京育ち。
著書に「人生に主導権を取り戻す90分の授業」(三才ブックス)
Website : https://hidetwo.com
Instagram : @hidetwo_hpaj (Official Instagram)
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