セミナー

ホームパーティーに学ぶコミュニケーションデザイン(8)

5/フードとドリンクを考える

フィンガーフードのすすめ

参加者が決まれば、いよいよ具体的な構想を練り始めましょう。

ホームパーティーは「非日常」の中での会話を楽しむもの。その彩りとなるのが、フードとドリンクです。だからこそ、テーブルの上に並べるフードはやドリンクは少しだけ背伸びして、「日常」感を取り除きたいものです。パーティーフードにおいて「楽しさ」は重要です。見た目に華やかなものを準備するように心がけましょう。

「卵かけご飯」は美味しいですが、いくら美味しいとは言ってもパーティーフードには不向きです。パーティーフードでは、味ももちろん、目で見て楽しい、食べるアクションが楽しいものをチョイスすべきです。季節感や、パーティーのテーマに沿って、料理のアイディアを出していきましょう。

日常、私たちは箸や、フォーク、スプーンを使って食事をしますが、例えばそこから変えてみるのはいかがでしょうか?

私がいつもパーティーフードとしてオススメしているのは、手でつまんで食べることができる「フインガーフード」です。まず、何よりはしや、フォークといった食器の準備をしなくてもいいことがメリットです。パーティーでは、席、場所を移動しながら食事をとることが多いのですが、その度に食器を持ち歩くのは億劫です。そのため、よく見かけるのが、食べた皿や、箸などが前の場所に置き去りになっているケース。これは、あまり見栄えのいいものではないので片付けの対象です。さらに、移った先でフードを摘まみたくなった場合には、新しいお皿と箸を出す。快適そうに見えて、これは余計なコストになるのです。

その点、手でつまめるフィンガーフードなら、取り皿もいらない。箸もいらない。さらに言えば、お皿に取り分ける手間もいらず、サーブも非常にスマートです。そして何より「手づかみで食べる気楽さ、楽しさ」でしょう。日常の食事ではない、ちょっとした遊び心がパーティー気分を盛り上げてくれるものです。

フィンガーフードに限らず、目で見て楽しい、食べるアクションが楽しい、と行った「普段やらないこと」を積極的さを取り入れられる食べ物を取り入れてみるのが良いでしょう。

例えば、流しそうめんとか、フォンデュとか、フードそのものに動きがあるものもオススメです。「たこ焼き器」にオリーブオイルを入れてアヒージョを楽しむ、なんていうのでも良いです。普段家でやらないこと、スペシャルなこと、食べるためにワンアクションあることで、単なる食事を、アミューズメントとしても楽しめるようになるのです。

また、料理を選ぶための検討材料として、参加者に食べられないものを聞いておくことも良いでしょう。アレルギーがある人もいるでしょうし、ベジタリアンだったり、宗教上の理由で食べられないものがある人もいるかもしれません。

あとは「お店ごっこ」を楽しむのも良いと思います。大きな塊肉を買ってきて、ローストビーフを作ったり、鶏一羽を使ったローストチキンをつくったり、お店でしか出てこないような特別な料理を作る。「わあ、お店みたい」という楽しみ方をするのも、ホームパーティーならではです。実際には、ほとんどの場合、お店で食べる方が美味しわけですが、それでもいいのです。基本的にホームパーティーでの非日常を演出するのは「お店ごっこの世界」でいいのです。

非日常感のあるドリンクを

飲み物に関しても、フードと同じことが言えます。

日本人は、ビールやチューハイは日常的に楽しんでいる人が多いですが、まだまだワインは特別感がある飲み物です。特にスパークリングワインなどを開けるのは、ハレの日に、という方が多いと思います。そういう非日常的なアイテムを、ホームパーティーでは積極的に取り入れていくのが良いでしょう。いつも飲んでいる、第三のビールや、発泡酒だと、どうしても「日常」の匂いをひきづってしまうからです。高級なワインや、焼酎、日本酒などを楽しみたい場合もあるでしょう。

オランジェというシャンパンは、あまり有名ではないのですが「007ことジェームズボンドが愛飲していたワイン」という物語を持っています。そんな話題のあるアルコールならば、パーティーの話題の中心に据えることもできるでしょう。ただし、その場合は、良いお酒を中心にパーティーを楽しみたいなら、お酒に合わせたコーディネートが肝心です。

日本酒を飲みながらシメサバのサンドイッチをつまむ日本酒パーティーや、プレミアムテキーラだけを楽しむテキーラパーティーなど、大人のムードのパーティーのテーマとしては楽しいものです。ただ、高級酒をメインに据える場合は、料理もそれに合わせてバランスをとりましょう。高級ワインのシャトーマルゴーを開けたのに、つまみは柿の種というのではナンセンスです。ドリンクとフードはコーディネート次第で、ホームパーティー全般のムードを左右するのです。

ドリンクの用意で気をつけたいこと

もちろん、ホームパーティーのテーマは「お酒」だけとは限りません。むしろ、様々な種類の料理やスイーツなどが並ぶことが多いため、日本酒をはじめとするハードリカーはムードを壊してしまいがちです。

そこでオススメしたいのは、カラフルな色がついている軽めのお酒です。ロゼワインは、デイリーワインとしてカジュアルな雰囲気のせいか、ワイン通の間ではあまり評価されていないようですが、色が鮮やかで華やかな雰囲気作りになりますし、肉にも魚にも合う万能ぶりから、様々な料理が並ぶホームパーティーに向いています。また、最手に入りやすくなった青いスパークリングワインなどを取り入れるのも良いと思います。お酒通の間で、青いスパークリングワインは「邪道」扱いされていますが、その華やかさは、ホームパーティーにぴったりだと思います。

スピリッツなど、アルコール分の多いハードリカー系は、誰もが飲みやすい面を考慮してカクテルにしましょう。カクテルをその場で一杯一杯作るのは、それなりの労力がかかりますが、パンチボールにすれば大丈夫です。焼酎をベースにした梅酒も、甘くて女性にも喜ばれますし、スパークリング日本酒もホームパーティー用にマッチしたアイテムです。

いずれにしても、数種のアルコールを混在させるよりは、テーマに合わせて種類を絞ったアルコール類を準備する方がスマートで、手間も省けます。料理にせよ、ドリンクにせよ、手間をかけないこと。

繰り返しになりますが、本当に美味しいもの、美味しいお酒を楽しむなら一流のレストランやバーに行くこと。あくまでホームパーティーの楽しみのメインは「コミュニケーション」です。演出ばかりに気を取られないように気をつけてください。

ノンアルコールの気配り

忘れてはならないのは、お酒が飲めない人のためにも気配りをしましょう。「じゃあ、烏龍茶でも買っておけば」というのは失礼な話です。「アルコールがあれば、盛り上がる」という考え方を頭から外してください。お酒が飲めない人でも食事と飲み物が楽しめるような気配りをしましょう。

ノンアルコールドリンクというと、どうしてもジュースや炭酸飲料など、日常感のあるペットボトルを用意してしまいがちですが、できればここも一工夫したいところです。100%のストレート果汁や、ノンアルコールのアップルタイザーなど、特別感のあるものが用意できればベストです。仮に飲み慣れた烏龍茶やジンジャーエールでも、ペットボトルや紙コップで置いておくのではなく、ガラスのボトルに入れるなどして、シャンパングラスに入れてサーブすれば、グッとパーティー仕様になりますので、オススメです。お酒を飲めない人でも「雰囲気に酔わせる」事が大事なのです。

もう一つ、ドリンクに関してのアドバイスがあります。多くのホームパーティーで忘れがちなのが温かい飲み物。料理と一緒に飲むものばかり考えていると、どうしても冷たい飲み物にばかり頭が行ってしまいます。ただ、体が冷えてしまう人もいるでしょうし、デザートの時に飲む、コーヒー、紅茶は、パーティーのムードを落ち着かせてもくれます。ぜひ、暖かい飲み物も用意しておくことをお勧めします。

もし、お酒が苦手なあなたが、ゲストとして参加する場合は、「お酒が飲めない」と事前に伝えておくことが大事です。お酒が苦手なことは恥ずかしいことではありません。むしろ、きちんと伝えておく方がマナーとしては正しいのです。

また、グラスに関しては、常に「割れる」ことを想定してください。「割れる」「こぼす」は、いずれもパーティーのトラブルとしてよくある事態です。しかも、割れる音、溢れたワイン、割れたグラスの破片、その片付け。一瞬の隙が、貴重なパーティーの時間を削ってしまいます。割った方、こぼした人、割ってしまた人も気を使いますし、こぼされた側の主もテンションが下がり、その被害は絶大です。とは言え、トラブルは「ありえる事」として想定しておいた方が良いでしょう。

これを回避するためには、割っても大丈夫な安いグラスを使う、または割れにくいプラスチックの使い捨てグラスを使うというテもあります。「高級なワインを楽しむ」をテーマにしたホームパーティーであれば、高級なワイングラスを用意するのが自然な流れではありますが、よほどのこだわりなない場合は、割ってしまった場合のことも考えておきましょう。また、テーブルクロスを敷く、洋服に飲み物がかかってしまった場合も考えて、シミ抜きなども事前に準備しておくといった防御策も考えられます。トラブルは、起こりうるもの、として対策し、被害を最小限にくいとどめましょう。

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