セミナー

ホームパーティーに学ぶコミュニケーションデザイン(9)

6/ポットラックパーティーを楽しもう

ポットラックパーティーを知っていますか?

フード、ドリンクの準備の仕方として、私が各所でおすすめしているのが、ポットラックスタイルのホームパーティーです。

ポットラック(potluck)とは、もともと「ありあわせの料理」のことで、ポットラックスタイルというのは、参加者がそれぞれが食べ物を持ち寄って、みんなで楽しむ気軽なパーティのスタイルのことです。

まず、最大のメリットは主催者側、ホストの負担を大きく減らすことができるところです。前菜から、メイン、デザートまで、すべての料理を用意しようと思うとなかなか苦労するものです。それが、みんなに持ち寄ってもらうことで大きく軽減されるんです。

ホストは、テーマに沿ったメインの料理などを作るだけでも十分。ホストの負担が減らすのは、もちろん「楽になるため」ではありません。その分のコストを、コミュニケーションに集中出来るからです。これが、結果ホームパーティー全体にとっての大きなメリットになるということなのです。また、料理を持ち寄ることによって、会費を軽減させることができるのもメリットですが、このあたりは後の項目で詳しくご説明します。

それでは、実際のポットラックスタイルの理想的な流れを説明しましょう。

まずは、LINEやFacebookなどで参加者グループを作りましょう。連絡網として、いま考えられる最も有効な方法ですし、パーティー後にも参加者同士が繋がりやすくなるためにも役立ちます。そこで、ホストはメイン料理と、それに合わせたドリンクを発表します。

ホームパーティーのメニューといえば、前菜、メイン、炭水化物、デザートといった組み立てになると思いますが、ホストは、その軸となるメインの料理と、ドリンクを請け負いましょう。「パエリア」「アクアパッツァ」「ローストビーフ」など、当日のテーマに沿った、主役級の料理ならなんでも結構です。ホームパーティーにおいて大きさは正義です。

迷ったら、大きな食材、大きな料理を選びましょう。小さな料理に手間をかけて数を揃えるよりも、大きな料理の方がパーティーの華になります。シャンパンを買うにも三本買うなら、いっそマグナムボトルを買った方が盛り上がるというわけです。

分担の仕方

メイン料理の情報を知ることで、参加者はメインの料理とお酒に合わせて、持ち寄る料理を考えることができるわけです。

もし、ホストであるあなたが料理が苦手、という場合は、メインのドリンクを担当し、メイン料理を他の参加者にお任せするのでも結構です。その場合は「とても珍しいシャンパン」や「曰く付きのワイン」「地元の名酒」など、パーティーの主役になれる一本を用意するのが良いでしょう。それによって、メインのドリンクに合うメニューを考えてもらうことができるからです。

メインの料理(またはお酒)が決まったら、参加者には「あなたは前菜をお願いします」「あなたはデザート」など、担当の料理をお願いします。これは、フリーにすると同じような料理ばかりが集まってしまう、というような事態を回避するためです。あくまで、料理の被りを防ぐためなので、細かな部分は持ち寄る参加者にゆだねましょう。お店や、ブランドまで指定するのはご法度です。

また、お酒類は重さもあるので男性にお願いするのが順当ですが、その際も「ロゼワイン」や「シャンパン」など、ふわっとした指示を忘れないようにしましょう。お酒に強い男性は、時に「ウイスキー」や「スピリッツ」などのハードリカーを選ぶことがあります。前述した通り、ホームパーティーは「酔うこと」が目的ではなく、楽しく会話することが目的です。そのあたりのガイドラインを引いてあげるのが、ホストとしての重要な役割ということです。

ちなみにノンアルコールビールや、ソフトドリンクなどは、ホスト側が気配りとして用意するのが良いでしょう。また、チーズやオリーブなどは、前菜として消費されてしまうため、パーティーの席上で紹介するタイミングが難しいものです。こちら、ホスト側で準備した方が良いでしょう。

以上、分担の采配もホストの腕の見せ所です。パーティーにドレスコードを設けることで、みんなでおしゃれを楽しむのと同じで、持ち寄る食べ物にもコードを設けることで、選ぶ楽しみが得られるはずです。「じゃあ、出身地の名産を持って行こうかな?」「その料理に合うのはこんなデザートかな?」と参加者それぞれが当事者意識を持ち、共通の目的に向かって夢を広げてくれます。また、上司や目上の人であっても、ポットラックのリクエストは遠慮なく、対等にしましょう。結果、ポットラックがかぶったり、見当違いのものになったりすると、恥をかくのは手土産を持ってきてくれた相手です。相手に恥をかかせないことが重要です。

あなたが参加者の側なら、ぜひ「当日のパーティーで話題になるもの」を意識してポットラックを選びましょう。「近所の隠れた名店のお惣菜」「出身地の名物で」「テレビで紹介された行列店のデザート」「季節の旬のもの」など、一言話せる料理を選べば、当日の会話にも花が咲きます。ポットラックで、よく持ち込まれるものに「お寿司」がありますが、握り寿司は人気はあるものの、パーティー中に乾燥してしまうのであまりホームパーティーには向いていません。稲荷ずしや、海苔巻きなどを選ぶのがおすすめです。

目的に向けて、有名店の料理をお取り寄せする、そのためにネットで調べる、材料を買って料理をする。それらの準備は、パーティーの席上での話題作りのネタとしても重宝するはずです。「どこで買って来たの?」「美味しいですね!」と話しかけられれば、どんな口下手な人でも、それらの経過を話のネタとして使うことができます。ホストの側からも、「どこで買って来たの?」「どうやって作ったの?」など、話しかけるきっかけにもなるでしょう。

ポットラックはリアルタイムで可視化しよう

準備の経過は、引き続きLINEや、ソーシャルメディアのグループを利用してリアルタイムで共有しましょう。

「今日、材料を買って来ました!」「買い出しで良いものを見つけました!」「これからパンを焼きます!」と言った報告をしあうのも楽しいものです。そんなやり取りから、参加者の人柄や、キャラクターなども垣間見ることができます。これは、当日の会話の糸口を見つけるヒントにもなり、コミュニケーションにも役立つでしょう。つまり、ポットラックは、主催者の手間を軽減するだけでなく、コミュニケーションのためのツールとしても有効なのです。

当日持ち寄られたポットラックを受け取る際、ホストは必ずその中身がどんなものか詳細に聞いておきましょう。これは、後でサーブする際に一言説明をするための情報収集です。さらには、誰が持って来たものか忘れないように、ポストイットなどで名前をマークしておくようにするのが良いでしょう。さらに凝るなら、インスタントカメラで撮影して、写真を貼っておくと言った小技を使うのも良いと思います。

参加者にとって、考えて持参したポットラックが、しまいこまれてしまうのほど寂しいものはありません。持って来ていただいたものは、タイミングを見計らって必ず封を切ることを忘れないように。また、テーブルに出す際には、「こちらは○○さんからいただいた□□です!」など紹介をしてあげることが大事です。

あなたが手土産を持っていく側ならば、ぜひ、ストーリーを持ったものを持参しましょう。「最近TVで話題の」や「この店でしか買えない」のような希少価値でも良いでしょうし、「子供の頃から食べていた」や「地元では祝い事で必ず食べる」など、個人的な背景を説明できるものでも良いと思います。あなたの手土産自体が、パーティーを盛り上げる材料になりますし、あなたの価値観や、キャラクターを魅力的に見せてくれるアイテムにもなるのです。

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